短所を隠したい

そもそも短所って何でしょうね。
過去に親や友達に指摘されたとか、
大失敗をしたとか。
もしくはそのために自分の望みがかなわなかったからとか。
よほど他人を傷つけてしまうとか、
犯罪のようなものでなければ短所って
あくまで「努力目標」ぐらいで良いと思うのです。
それは意識の片隅に追いやっておきましょう。
短所なんてたやすく直せるはずがないと
私は思っています。
サイボーグでもない限り、完璧な人間はいません。
公の場で「完璧ぶっている」人は大勢いますが。
皆が感じている短所はほんの少し見せ方を変えるだけで
「個性」になるものが多いのです。
完璧に近づけば近づくほど、人間臭さが消えていきます。
あなたがタレントならそういったイメージは
必要かもしれません。
でも実際の生活でそんなサイボーグみたいな人、
誰が本気で好きになるでしょうか?
悩み相談なんてできますか?
それよりも、うまくいかなくっても、
何か頑張っている後輩。
動作は遅いけどいつもニコニコして癒してくれる友達。
普段は口は悪いけど、何かあったら真っ先に
心配してくれる同僚。
そんなちょっとデコボコした人にとても魅力を感じます。
そして私自身相当な不完璧人間!
だからこそ相手のデコボコももちろん許すし、
興味が沸いてきます。
完璧にみられる人ほど実は敬遠されています。
ほころびを他の人に見せないためにも、
少し距離を置いたりするのです。
だから短所はあくまで努力目標で良いのです。
私の幼いころからの友達の例を挙げますね。
彼女はいつも必ず、間違いなく遅刻をします。
今までに30回以上待ち合わせをしていますが、
ただの1度も時間通りに待ち合わせ場所に来た
記憶がありません。
でもこの彼女、仲間内では人気があって、
皆で集まるときは真っ先に名前が挙がるぐらいです。
どうしてでしょう?
一度彼女と銀座のビルの2階にあるカフェで
待ち合わせをした時。
なんと時間通りに彼女が歩いてきました!
少し早く着いた私は眼下の彼女を凝視していました。
すると、あと数メートルのところで彼女は向いの
ワゴンセールのワゴンに近づいてそのままその店舗に
吸い込まれていくではありませんか!
「あぁ、これが遅刻の原因か~!」と少々がっかりした私。
そして5分後に彼女がカフェに登場した。
ひとしきり謝る彼女に、私はとりあえず冷静に聞いた。
「ね、せっかく時間通りに来たのに向かいのワゴンセールに
寄り道したでしょう?!」と。
そうしたら彼女なぜか満面の笑みで
「あ!見てた?そうなの、いっつも待たせているから
何かプレゼント買おうと思ったの。
ほら〇〇〇のタオル好きだったでしょう?」
ハっとしました。
〇〇〇のタオルが好きだったのは高校生の時だったけど、
私にプレゼント買おうと思ってくれたんだ!
実は彼女のこのセリフは嘘でないのです。
そういった気遣いはする人で、
彼女が女子会で欠かさず呼ばれるのは
この思いやりの気持ちがあるからなのです。
いつも遅れてくることをきちんとあやまり、
宴会の間中メンバー一人一人の良いところをほめ、
笑いを取ってくれるからなんです。
いまや彼女が遅れてくること自体が私たちの
女子会の良いネタにもなっているのです。
遅れてくることは褒められないけれど、
それをも見えなくしてしまうほど、
皆を愉しませてくれる彼女。
お笑い芸人の人たちのように、
自分の短所を隠すことに専念するより
周囲を愉しませることに一生懸命にしたほうが
結果としてみんなから愛されるのですよね。
あなたにもし、ハッキリと自覚できる短所があるなら、
それは個性に変えるチャンスかもしれませんよ。
少なくともサイボーグにはならずに済むのですからね^^